効果的なスクールソーシャルワーカー配置プログラムマニュアルの目的と意義、理念

スクールソーシャルワーカー(SSWer)活用事業が開始され、6年が過ぎようとしている。開始されて以来、全国各地において試行錯誤の上で事業が進められてきた。事業設計や実践に対する共通の枠組みがない状況でスタートしたため、専門性の安定的供給や他専門職との違いなどの問題が絶えずいわれている。事業の発展期である現在、事業に関する共通の枠組みを作成し、より効果的な事業設計・実践を追求する必要があるといえる。

そこで,私たちは効果的なスクールソーシャルワーク(SSW)事業設計・実践を行うことが可能な共通枠組み、SSWer配置プログラムを作成した。「はじめに」において文献も掲載したが、すでに試行調査において一定の効果も実証している。プログラムはゴール(インパクト)を達成するために密接に関係するプログラム要素である効果的援助要素で構成されている。SSWerが各効果的援助要素を実施することで、期待されるインパクトを達成できる。

SSWer配置プログラム作成の最終目標は、プログラムを活用することで実践を適切かつ効果的に進め、実践をより効果的なものに発展させていくことである。くわえて、効果的な実践をプログラムに反映させて、効果的プログラムを必要に応じて改良、見直しを実施することも目標とされる。本マニュアルは、開発したプログラムを現場でも活用可能な形にしたものである。具体的には、現場において実践の改良や見直しが可能となるように効果的援助要素にくわえて、効果的援助要素を客観的な手法で評価するフィデリティ尺度を作成している。