A-2 多部署との協働支援体制

●多部署と協働で支援することへの共通認識がある

◆意義と目的

重い精神障害のある人の地域定着支援には、単部門での支援には限界があり多部門による包括的なケアを提供することが求められます。ここでは、どのような部門がどのような役割を果たしていく必要があるのか、またその際に求められる各部署の役割について示しています。

◆具体的な支援の内容

デイケアとアウトリーチ支援を効果的に統合的に提供するためには、デイケアやアウトリーチ支援部門のみならず、病棟や外来などの多部門のスタッフが集まり協議をする機会が重要になります。いずれのサービスにおいても利用を始める際には、ケースカンファレンス(cc)などを開催して関係各部署と対象者の情報を共有し、支援方針を明確にしておく必要があります。その際には、主治医の同席、対象者本人や家族が同席することが望ましいでしょう。またccはどの部署からでも進言することができ、自機関での対応が困難な場合は他機関へつなぐことも検討される必要があります。このような多部署との集まりでは、ccなどのような対象者に関することのみならず、支援体制や課題について検討することも重要です。

◆効果的な援助要素

□多部署との情報共有体制が明確になっている

  • アウトリーチ支援の利用者がデイケアの利用を開始する際に、関係各部署と対象者にかかわるccをする場がある
  • デイケア利用者がアウトリーチ支援の利用を開始する際に、関係各部署と対象者にかかわるccをする場がある
  • ccには外来の各部署と病棟など様々な部署が参加している

□利用者の情報は集約されていて、院内の関係者がいつでも見られるようになっている

  • カルテ
  • 電子カルテ
  • 個別記録
  • 連絡ノート
  • 院内メール等の活用
  • 多部署の従事者とは電話や直接行き来して口頭で報告している

□ccには主治医も参加する
□ccは対象者が同席している
□ccの内容を対象者(必要に応じて家族に)伝える体制がある
□ccは、どの機関・部署からでも進言できる体制がある
□必要に応じて他の訪問機関・部署へつなぐ体制がある
□多部署で個別支援や部署の課題について話し合う機会がある