以下に挙げる効果的援助要素のうち、項目全体がSSWerのマクロアプローチに該当するものには項目名の後ろに(マクロアプローチ)と記している。項目全体がマクロアプローチに該当するわけではないが項目の中にいくつか含むものについては、p.47以降に示す効果的援助要素の中に、波線を引いて示している。 ◀SSWerとしての基本的な姿勢▶ 一人ひとりの子ども・保護者(場合によっては教員も含む)を個人として尊重し、一緒に問題解決にあたっていく姿勢を守る。子ども・保護者の利益を第一に考え、彼らの秘密を守る。また、彼らの問題よりも可能性に目を向け、物事を自分で決めるようにサポートし、個人に責任を求めるのではなく、エコロジカルな視点で、環境との相互影響に焦点を当てる。 「バイステックの7原則」(①個別化、②意図的な感情表現、③統制された情緒的関与、④受容、⑤非審判的態度、⑥自己決定、⑦秘密保持)など、ケースワークの基本に則り活動を行う。 引用元: 特定非営利活動法人日本スクールソーシャルワーク協会「スクールソーシャルワーカーとは?」 (http://www.sswaj.org/w_ssw.html#shisei, 2013.3.4). Biestek, Felix. P.(1957)The Casework Relationship, George Allen & Unwin Ltd.(=1965, 田代不二男・村越芳男訳『ケースワークの原則――よりよき援助を与えるために』誠心書房.) A.学校組織へのアプローチ A-1 学校アセスメント(さまざまな資源を活用して学校の状況を把握する) ■目的 学校を理解するための情報を集め、学校や子どもの状況を把握し、ニーズを見たて、活動方法を検討することによって、学校や子どもに必要とされるSSWerの活動を展開する。また、学校がSSWerについてどのように理解しているかを把握することによって、学校がSSWerの専門性を理解して活用できるようにする。 ■具体的実施内容 学校がSSWerの役割をどのように理解しているか、管理職のSSW活用のニーズ、管理職と他の教員との人間関係、教員同士の雰囲気、学校における合意形成のプロセス、教員の大変さ、教員同士の力関係を把握する。教員、指導主事(校内支援者)、校外支援者に対し、教員の勤務体系や校務分掌、不登校率、就学援助率、生活保護率などの学校の状況を聞く。学校訪問時、職員室の反応、掲示物、ゴミの散乱状態、靴箱の状態、廊下の状態、学校備品の破損状態を観察する。 上記のような情報を整理し、活動開始前に学校状況をアセスメントする。 A-2 地域アセスメント(さまざまな資源を活用して地域の状況を把握する) ■目的 地域を理解するための情報を集め、地域の状況を把握し、ニーズを見たて、活動方法を検討することによって、地域に必要とされるSSWerの活動を展開する。 ■具体的実施内容 学校行事(参観や運動会、懇談会など)への参加、地域主催の取り組みへの参加、校区内の見回りなどによって地域の状況を把握し、関係機関訪問、地域のさまざまな会議への参加などにより、インフォーマルを含めた地域資源の種類と役割、対応範囲を把握する。 管理職、管理職以外の教員、指導主事、民生委員・児童委員、主任児童員、警察、PTA、 地域の自治組織、保護司などから、地域の歴史や特性、市営住宅の有無・児童養護施設の有無・犯罪率などを調べたり、聞き取ったりする。 上記のような情報を整理し、活動開始前に学校状況をアセスメントする。 … Continued