B-3 企業やNPOなどに働きかける時は、生活保護利用者の救済ではなく、市民共通の問題として取り組んでもらえるように働きかけている

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    意義と目的 企業やNPOなどの事業所と協力関係を形成するためには、目的を共有化することが不可欠です。貧困やイメージの悪さが問題であり、企業やNPOやハローワークともこうした問題に対して就労支援チームとして取り組むことが重要です。   具体的な支援内容 NPOや企業から協力を得るためには、目的の共有化とともに対策の具体的な提案が必要です。生活保護のイメージの悪さを防止する資料を作成・配布し、就労後の継続支援や従業員からの相談援助体制まで具体的な提案をしていきます。   効果的な援助要素 □ 雇用先の職場の同僚に対して配布できる、生活保護風評被害の理解を促進するような資料を作成している □ 生活保護制度や生活保護利用者への風評被害対策、雇用上の配慮を企業に説明している □ 就労者を受け入れた企業に対して、就労後も利用者に対して継続的な支援を提供していくことを伝えている □ 就労者を受け入れた企業に対して、必要であれば雇用主や他の従業員の相談に応じていくことを伝えている

B-2貧困を解決するために新規の協力事業所(NPO・企業など)を開拓している

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      意義と目的 採用予定の有無に関わらず、実習を受け入れてくれる企業などの協力事業所を常に開拓します。協力事業所が多岐に渡れば、利用者が実習先を選択する際にも、自らが望む業種に近いものを選択することが可能になります。   具体的な支援内容 企業に対して生活保護への理解を促し、協力事業所を拡大する努力を行うことが生活保護利用者雇用の拡大につながります。そのためには、日常的な協力事業所の開拓のための活動を行う必要があります。 また、生活保護へのイメージの悪さなどを考慮した、利用者に必要な配慮を示すことも必要です。これは、一般的な生活保護へのイメージの悪さと利用者の個性を分けて示すと協力事業所の理解が深まると考えられます。具体的なツールとしては、紹介ビデオ、紹介パンフレット、生活保護イメージの悪さや雇用上の配慮を企業に説明するためのマニュアルなどが考えられます。 雇用先の企業が知りたい情報を把握し、積極的に提供する必要もあります。 就労を促進するための職場開拓を積極的に行う必要があります。企業訪問数、実習・雇用先の開拓数、ハローワークへの訪問などの数値目標を設定することで、スタッフの目標が明確になります。 また、訪問先の業種は、できる限り多いほうがよいと考えられます。これは、利用者の希望にあった支援が可能になるためです。   留意点 地域によっては、新規事業所の開拓が困難な場合も考えられます。その場合には、市町村の労働部門・ハローワークなどと協働し、圏域を広げることなどの工夫が必要になります。   効果的な援助要素 □ 新規の協力事業所(NPO・企業など)開拓のための活動を行う(6ヶ月に1件以上) □ 就労支援チームには、職場開拓、企業支援を担う担当者・部門が含まれる □ NPOを含めた実習先やトライアル雇用先に利用者が希望する職種が無い場合、新たに開拓するという申し合わせがある □ 新規事業所を開拓するために、就労支援プログラムを紹介するためのパンフレット、ビデオ、ニュースレターなどを企業に送付している □ 生活保護のしおりの中で自立支援プログラムについて説明している □ 自立支援プログラムに関して、モデルや先進自治体を参考にして要綱や様式を定めている □ 企業・非営利法人等と関わりネットワークを形成する  

B-1 就労支援プログラムの広報活動を行っている

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    意義と目的 効果的な生活保護就労支援プログラムを運営するために必要な利用者を確保するため、積極的な広報活動を行います。利用者の早期の就労を実現した場合、一定の新規利用者の確保が必要になります。また、早期でない場合も、利用者の確保は安定したサービス提供には不可欠になります。   具体的な支援内容 利用者を積極的に就労に繋げながら円滑なプログラム運営を行うためには、新しい利用者の確保を計画的かつ積極的に行うことが必要です。 具体的には、勧誘用パンフレットの作成・配布、従来の広報活動圏域の拡大などが効果的です。また、関係機関などでの説明会の実施は地域の潜在的な利用者への働きかけとなります。また、ハローワーク、NPO、障害者就労支援センター、シルバー人材センターなどの行政機関を通じた広報活動も効果的です。   効果的な援助要素 □ 従来の圏域を拡げ就労支援プログラムの広報啓発活動を行っている。 △ハローワーク △NPO △民生委員連絡会 △病院 △学校 △公園 △その他 □ 就労支援を実施している利用者に対し広報(おたより)を作成し送付している □ ニュースレター・パンフレット・講演会等、就労支援プログラムの広報啓発活動を行っている □ 都道府県が市町村レベルでモデル事業を行い、自立支援プログラムをわかりやすく伝えるよう努めている □ 障害者就労支援センター・シルバー人材センターとの連携を図り、利用者の推薦を依頼する □ 過去1年間の新規利用者数が、定員の50%以上である

A-6 生活保護就労支援プログラムの評価を行っている

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    意義と目的 生活保護就労支援プログラムの目的は利用者の希望に応じた就労の実現に向けた支援を提供することです。そのためには、現時点でのプログラムがどの程度、目標に近付いている状態かを客観的に把握することが重要です。   具体的な支援内容 評価はできるところから始めてみることが重要です。まずは評価という視点になれることが一歩目となります。例えば、利用者の感想を聞き取り記録しスタッフ間で共有することも一歩目の取り組みとして重要です。   効果的な援助要素 □ プログラムの効果測定として、利用者の感想を聞き取りケースワーカーに伝えている □ ボランティア体験やスキルの習得からの社会関係の広がりを記録に残している □ 評価の期間を待つことなく、取組に問題が生じたら迅速に自立支援プログラムを変更している □ スーパーバイザーが各スタッフの支援を評価するためのツールがある      

A-5 ケースワーカーの負担を軽減するために所得保障業務の一部を委託している

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    意義と目的 生活保護就労支援プログラムに継続的に取り組むためには、所得保障業務の軽減策が同時並行で行われなければなりません。所得保障業務の一部をまとめて委託することで生活保護就労支援プログラムに取り組む時間とマンパワーを確保することが可能となります。   具体的な支援内容 就労希望のない高齢者専門チーム立ち上げや、資産調査を社会保険労務士への委託など、多くの実践的な工夫によって、コーディネーターや就労支援スタッフの負担が軽減する。より多くの支援策を複合的に使用していくことが重要です。またそのような軽減策を具体的に検討する委員会を上部組織として位置づけることも重要です。   効果的な援助要素 □ 就労支援プログラムとは別に高齢者(就労支援利用者ではない)を専門とするチームを設けている □ 資産調査は社会保険労務士に委託している □ セーフティネット支援対策等事業費補助金を活用して各種支援の専門員を採用し、ケースワーカーの負担を軽減している □ 管理区域外の居所なしの訪問支援はNPOに委託し、簡易宿泊所への訪問などを任せている □ 専門的な団体へ業務委託を行い、専門家派遣できるようにしている □ 就労支援事業のアイデア出し、マネジメントを主業務とした管理部門を設けている □ 市区長の委嘱状がない委員会を管理部門として設けている □ 管理部門にはNPOや大学など外部の人材を積極的に登用している  

A-4 生活保護就労支援プログラムを実施するための環境が整っている

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    意義と目的 プログラムの実施環境を整備することで、スタッフは支援要素の目的に集中できるようになります。スタッフがそれぞれの持っている知識やスキルを充分に発揮できる環境を整えることはスタッフの士気そして自立支援意識の向上にもつながります。   具体的な支援内容 プログラムを円滑に進めるためには環境が整っていることが重要です。限られた予算の中で、どのような環境整備に費やすかの優先順位を明確にするには、地域にどのような社会資源があるかを明確に把握する必要があります。協力事業所(NPOや企業)の新規開拓結果が出てくれば、新規事業所との話し合いの中で必要な環境整備の優先順位の明確化が可能です。   効果的な援助要素 □ 利用者が検索に使用できるパソコンがある □ 就労支援員が公用車を使うことができる □ 利用者に電話のかけ方を指導するために携帯電話がある □ 目の前で面接の受け方を教えるための衣装がある □ 就労支援スタッフのケース記録を電子化してケースワーカーやSVが共有している  

A-3スタッフ間で役割分担が明確になっている

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    意義と目的 就労支援スタッフによる支援は、就労支援のプロセスに沿って、利用者に体系的で一貫性のある形で提供されることが必要です。利用者ごとに担当就労支援スタッフが決められており、より少ない一定の利用者に対して支援を提供します。 また、コーディネーターがNPO等や企業との連携を図ることにより効果的なサービスを提供しますが、連携の中心的な役割をコーディネーターが担います。   具体的な支援内容 就労支援スタッフは、利用者との関係づくり、ニーズアセスメント、就労支援計画作成、就労支援計画のモニタリングと評価、実習等でのトレーニングと、職場開拓、職場における利用者支援、企業に対する支援など、様々な職業サービスを行います。 利用者ごとに就労支援スタッフが決められており、支援開始時から支援終了時まで一貫して担当することが望ましいと考えられます。また、就労継続支援についても可能な限り担当者が代わらないことが望ましいと考えられます。 次に、支援する利用者数(ケースロード)は一定かつ少数の方が、より効果的な支援提供が可能になると考えられます。 コーディネーターは、管理部門の中心を担うという役割があります。就労支援スタッフと生活支援スタッフの活動を統括し、より良い支援を提供するためには、その活動をコーディネートするスタッフが必要です。また、コーディネーターは、各スタッフの提供するサービスについて、責任を持たなければなりません。 また、担当スタッフレベルでは難しい外部組織や他の自治体との情報交換や研修会への参加なども重要な役割になります。   留意点 一人のコーディネーターが上記の役割のすべてを果たす必要はありません。必要に応じて役割分担し、各スタッフの負担の軽減やレベルアップに努めることが重要です。   効果的な援助要素 □ ケースワーカーから権利・義務など法律の知識を利用者に提供している □ 個々の利用者の就労支援を担当する就労支援スタッフ(チーム)が決められている □ 就労支援スタッフ(チーム)は就労支援の就労継続支援を含むあらゆる役割を一貫して担当する □ 就労支援スタッフは、以下にあげる就労支援の様々な支援を、利用者に対して体系化された(一貫性のある)形で提供する。 △ 関係づくり △ 利用開始前のアセスメント △ 就労支援計画を作成 △ 職場開拓 △ トレーニング △ 就労支援計画のモニタリングと評価 △ 職場における支援継続 △ 職場での就労継続支援時の評価 △ 企業支援 □ コーディネーターは、以下の役割を果たす △ 利用者の確保のための広報活動 △ NPOなどの実習先の確保・調整 △ 新規協力事業所(実習先・就職先)の開拓 △ すでに協力関係のある企業等との連絡・調整 △ 利用者が就職した企業等との連絡・調整 △ ハローワークとの連絡・調整 △ 他の地方自治体との連絡・調整 △ 就労支援のための社会資源の開拓 △ その他の就労支援のためのネットワーク作り △ 生活支援のための社会資源の開拓 △ 医療・保健機関との連絡・調整 △ 生活支援のためのネットワーク作り △ 利用者およびスタッフの権利擁護 △ スタッフのモチベーションの維持・向上のための支援 □ ケースケースワーカーを入れずに就労支援員単独で利用者と面接をしている □ 健康面での相談は担当を分けており就労支援専門員の担当にはしていない □ 精神的な疾患の可能性検証のための嘱託医や保健師による同行訪問する

A-2 スタッフを育成するためのプログラムがある

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  意義と目的 より効果のあがる就労支援を実現するためには、スタッフが知識や面接スキルをアップさせ、利用者と協働して貧困とイメージの悪さに立ち向かうチーム形成を実現することが重要です。スタッフはより効果のあがる研修方法で効果的に育成することが望ましいです。   具体的な支援内容 各スタッフの目標管理や評価ツールなどを用いて人材を育成することは、長期的な視野に立つコーディネーターの役割として必要と考えられます。生活保護就労支援プログラムを安定させ、サービスの質の維持・向上のためには、OJTや体験型の研修が有効です。また、研修を行うためには、研修のコーディネーター自身の意欲も必要になります。   効果的な援助要素 □ 新人新任職員に対し実務を指導する先輩職員がついてOJTを行っている □ ワークショップやNPO等でのボランティア体験を通してスタッフ研修を行っている □ ロールプレイを中心とした就労支援員対象の研修を定期的に月2回以上行っている □ 査察指導員が就労支援スタッフや生活支援スタッフに対して実践を通して対応上のアドバイスをしている □ スタッフの研修用教材がある □ スタッフの年代別や経験別に研修を行っている □ 就労支援スタッフに対し6ヶ月以内の就労数についての目標数が設定されている □ スーパーバイザーは各スタッフの個人目標の管理を行う □ スーパーバイザーは人材育成やスーパービジョンのための研修会に参加する □ 支援者の知識と技術の向上を目指し、支援者間での支援情報共有化による就労支援検討会を実施している  

A-1貧困という事実(結果)に対して対処する 公平な支援関係を目指す 多様な場面を活用する 自立・自律へ

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意義と目的 「生活保護のイメージの悪さ」は社会・文化の中に未だ根づいていると言わざるを得ません。福祉の専門機関に勤める者でさえ、文化に根ざした「生活保護のイメージの悪さ」の影響からは逃れられません。生活保護の利用者が生活保護受給という環境にあることの主な要因は貧困のはずです。しかし、専門期間の職員であっても主な要因を利用者の性格や行動に求めてしまいがちです。そして、さらに利用者も「生活保護のイメージの悪さ」のある文化の中にいるために、生活保護受給の原因を自身の性格や行動に求めがちです。そうした誤った現状認識が誤った対処を導き出し生活保護の長期化へとつながります。まずはイメージの悪さに振り回されず正しい現状認識を得るために利用者を主因としないという姿勢が重要になります。 具体的な支援内容 利用者を事実に近い現状認識へと導くよう情報提供していきます。利用者が抱えている事実は、生活保護のイメージの悪さと言うフィルターを通した事実です。その結果、利用者の事実は、自分の行動や性格を主因としていることが多いのですが、データの裏付けのある事実は、貧困そのものが主因となっています。「貧困」と「イメージの悪さ」という2つの問題が重複して起きていることが多い生活保護の現場では、貧困に対してはこれまで通り調査をし所得保障をしていく一方、イメージの悪さという問題へは正しい知識を共有するという対処が必要となります。具体的には、貧困が個人の性格や行動の問題とは別の社会問題として捉えること、イメージの悪さも個人の性格や行動の問題ではなく社会問題であることを伝えることから始まります。 留意点 イメージの悪さという問題は、人によっては共有することそのものがストレスになる場合もあります。無理せず、丁寧に確認作業を進めていきましょう。 効果的な援助要素 □ 生活保護に対する否定的なイメージが、自己肯定感の低下や就労意欲の低下につながって悪循環に陥りがちであることを利用者に伝えている □ 利用者にプログラムは強制ではないことを伝えている □ 制度における保護の要件、被保護者の義務についての説明をする □ 貧困という問題に対して利用者と協力して対処することを伝え、問題と利用者を切り離して説明している □ 利用者と公平な支援関係をつくることが今後の課題であることを伝えている

3.「生活保護就労支援プログラム」の実施マニュアル

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3.1 「生活保護就労支援プログラム」の目的 生活保護就労支援プログラムの利用者の希望に応じた就労をスムーズに実現するため、必要な援助要素を実践に生かすことが本マニュアルの目的です。 インパクト理論にもある通り、そのゴールは生活の質の向上であり、利用者が安定した地域生活を送ることが可能な環境を整える1つの手段としての就労を意図しております。 3.2 「生活保護就労支援プログラム」の対象 対象は生活保護受給者です。まずは利用者の生活の質の向上が大目標、そのために福祉事務所やそれ以外のNPOなどを対象とした働きかけが必要になります。 3.3 用語の定義 本マニュアルが対象としている生活保護受給者等就労支援事業は、通達に基づく福祉事務所の活動を中心としています。しかし、通達が示す活動範囲のみでは、充分な就労支援が難しいため、本マニュアルが定める範囲や語句と通達が定める事業範囲や語句は、若干の差異があります。生活保護就労支援プログラムの範囲については、各モデルで示しました。 就労支援スタッフは地域によって担い手は変わってくることが想定されます。多くの場合、生活保護ケースワーカーと就労支援専門員が就労支援スタッフとなります。 コーディネーターも地域によって担い手は変わってくることが想定されます。多くの場合、査察指導員と運営担当がなります。 3.4 マニュアルの特徴 このマニュアルの特徴は、生活保護就労支援プログラムの利用者を中心に据えたモデルを提供している点にあります。また、厚生労働省の示した事業範囲を超え、地域における成果に結びつく就労支援事業モデルを提案していることにあります。今回は、利用者に対する直接支援を中心にマニュアル化をしました。本マニュアルは、可能な限り多くの福祉事務所に利用していただけるように工夫をしています。 しかし、すべての福祉事務所が利用できるか否かの判断が難しい点もあります。運営上の課題、利用者自身のキャリア形成なども充分とはいえない可能性があります。これらは、生活保護受給者等就労支援事業だけでなく、他の社会福祉資源と共に検討すべき課題であると考えます。このため今回のマニュアルでは割愛しています。 本マニュアル作成過程において、有益な実践事例、利用可能な制度、国や地方自治体による事業についても、多くの情報を得ることができました。利用者の早期の就労を実現するために、利用可能な制度や工夫は共有すべきであると考えます。この点は今後の課題としたいと考えます。

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